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異文化と異次元の旅人

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2007年06月26日 (火)

元教え子と居酒屋で飲む

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大学の授業が終わった後、数年前の教え子と会い、いっしょに梅田の居酒屋に行った。ビールをたらふく飲んで、他の同級生達の動向や就職活動の話を聞き、とても楽しかった。

私は、いくつかの大学院の理工系学部で、英語のプレゼンや論文指導のクラスを担当しているが、彼、M君は、私が最初に教えた学生のひとりだ。この時の一年間は本当に充実していた。登録学生が60人以上もいて、とても個別指導が出来るような状況ではなかったが、私は全エネルギーをかけてコースを作り、熱い授業をしていたので、学生達は熱狂的に支持し信頼してくれた。その後も毎年授業には全力を傾けているつもりだが、一年目の熱気にはとてもかなわない。

M君は大学院を卒業する頃、アメリカの大学院に行きたいと私にいろいろ相談してきた。私もアメリカの理科系大学院で長く大学院生生活を送り、その後研究員もしていたので、あれこれ情報を提供しアドバイスをした。

彼はMOTに興味があり、一年近くアメリカのある大学の研究グループで修行を積んだあと、この秋から晴れて一流大学の大学院への入学が決まった。プログラムは一年間で終了する。既卒になると企業への就職がややこしくなるとかで、ちょうど入学前のこの時期、短期間だけ帰国して就職活動で飛び回っているらしい。忙しい合間を縫って、ぜひ会いたいと言って連絡をくれた。

人間的にも一回り大きくなって帰ってきたM君だが、「英語慣れたか?」と聞くと、「いやまだ苦労していますよ」という。まだ一年では無理もない。私は英語を相当習得してから留学したので、言葉で困るということはあまりなかったが、普通の理系の大学生・大学院生なら、4~5年留学しても必ずしも英語がパーフェクトになる訳ではない。仕事や身の回りの日常生活に困らない程度の英語力は身に付く。しかし、あくまでも外国人の英語なのだ。

彼からあれこれアメリカでの苦労話を聞くと、自分の留学時代を思い出す。話すほどにビールの消費量が増えていき、私の口からはアメリカ留学のこぼれ話が次から次と溢れ出す。彼も大いに共感してくれる。やっと元教え子達とも、こうして酒を飲みながら語り合えるようになったかと感慨しきりだった。

出身高校が偶然にもライバル校同士だったこともあり、私に親近感を抱いてくれたようだが、M君は、男から見てもぜひ友達になりたいと思うようなとても良いヤツだ。実直でしっかりした価値観を持ち、技術や企業に対して高い理想を持って日々研鑽を積んでいる。いっしょに飲んでいても楽しい。こういう若者がいれば、日本の将来も安泰だ。オレもこういう息子が欲しい。

彼は、なかなかのイケメンでもあり、自分に娘がいればぜひ紹介したいほど。「ところで、彼女とかいるの?」と聞くと、「いえ、あの…」と恥ずかしそうにしている。私もそうだったが、大学院の連中なんて、着古したジーンズにTシャツ姿で、毎日夜中の12時近くまで実験に追われ、研究室と下宿を往復しているだけのような潤いのない生活の繰り返しだ。しかし、仕事に一途で、人間としても魅力的なカッコイイ男達が少なくない。ただ、女性と知り合うチャンスもなければ、付き合う余裕もない。それに現代風のチャラチャラした女性が苦手で、キャンパスで見かける女性達とは縁遠い。実直な連中が多く、遊び回るより、信頼できる女性とずっといっしょに良い家庭を築いていきたいと思っている。こういう価値観は親の世代とあまり変わらない。

そこで、ハタと思い出した。そういえば私が教えている別の語学系の大学では、これまた現在では珍しいような、実直でしっかりした価値観を持った女子学生達が多い。私が教えている学生達も、「遠く離れて一人住まいをしてから、両親の深い愛情にあらためて気がついた。今度帰郷するときは、お父さん、お母さんに『ありがとう』と感謝の気持ちを伝えたい」なんて泣かせる作文を書く子が何人もいる。両親を尊敬し、先生を尊敬し、よく慕ってくれる。それにみんなとても可愛い。そういえば、以前彼らの何人かと談笑していて、「先生、素敵な男性紹介して下さい」なんてお願いされて、困ったこともある。もしかしたら、これは最高のマッチメーキングではないか。

「今度帰って来る時、よかったらとっても気だての良い、可愛い女の子を紹介してあげようか?」とそれとなく尋ねると、顔を真っ赤にして「はい、ぜひ」とうれしそうな顔をする。とても良い表情だ。

「よし、分った。君はオレの息子みたいなものだ。ぜひ素敵な女の子に会わせてあげるよ。でも、上手く行くかどうかは分らないよ。それは君たちの相性次第だ。」

「それと、大切な女の子を預かって、オレが紹介するのだから、遊びはするな。ちゃんと納得するまでは指一本触れるな。もし下手なことをすると、ただじゃおかねぇからな。」
最後は少しドスをきかせて睨みつけると、ちょっとビビっていたが、「上手く行ったらオレが仲人だな」と言うと、満更嫌でもないようで、私を信頼し切ってくれている。

さあ、「オヤジ」も忙しくなるなと、お節介にもあれこれ想像していると、ハタと気がついた。何だ、自分も彼とあんまり変わらない状況ではないか。ひとの面倒ばかり見ている場合じゃないではないか。思わず苦笑が漏れる。

<そろそろ、自分の面倒も見ないとな>
心の中で自分を叱りとばしながらも、心地よい酒が体中に回ってきた。

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プロフィール

Taro Who?/フウタロウ

管理人 : Taro Who?/フウタロウ
理系研究者からビジネス現場の通訳・翻訳・マーケティングサポートを経て、現在はもっぱら大学・大学院で理系英語・翻訳・プレゼン・ライティング等を教える。また、理系英語教育プログラム、脳科学的アプローチに基づく英語学習、通訳訓練法、通訳・翻訳理論を研究する。しばしば仕事はそっちのけで、旺盛な好奇心のおもむくまま、あらゆるジャンルに首をつっこみ雑文を書く。砂漠とロッキー山脈が大好きだが、最近はとんとご無沙汰。もっぱら仙人生活を送っている。でも、パーティーとおしゃべりは嫌いじゃない。日本生まれ、日本在住。20代から15年間アメリカで過ごす。

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